この巨大な波を、ファッション業界が見逃すはずもない。特にランウェイでの動きは極めてスピーディーだった。
バレンシアガが提示したアヴァンギャルドなフットボールジャージは、ラグジュアリーとサブカルチャーの境界線を鮮やかに打ち砕いた。さらにアディダスやナイキといった巨頭たちは、世界的デザイナーやメゾンとの協業を加速。本来は機能性を追求するギアであったウエアが、高感度なセレクトショップの最前面を飾る時代が訪れたのだ。
この変化はスポーツウェア産業全体に構造的な変革をもたらしている。単なる競技用ウェアにとどまらず、ライフスタイル全般を包み込むプロダクトデザインが、ブランドの価値を決定づける重要な要素となった。