八戸市鮫町に位置する蕪島は、かつて完全な離島でしたが、1942年(昭和17年)の旧日本軍による埋め立て工事によって本土と陸続きになりました。この蕪島の頂に建つ蕪嶋神社の主祭神は、日本神話の宗像三女神の一柱である市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)です。古くから弁財天と同体と信仰され、海上安全や大漁満足、そして強力な金運・商売繁盛をもたらす福徳の神として崇敬を集めてきました。
蕪嶋神社の特異性は、野生のウミネコと神社信仰が完全に融合している点にあります。毎年3月上旬頃になると、越冬地から数万羽のウミネコが一斉に飛来します。4月には産卵と抱卵が始まり、5月中旬から6月にかけて愛らしいヒナが誕生、7月下旬から8月にかけて若鳥が巣立っていきます。この繁殖サイクルにおいて、参拝者が鳥の営巣地の中を縫うように石段を登る神社は、世界中を探しても他に例を見ません。
古来、八戸の漁師たちはウミネコを「弁財天のお使い」「豊漁を知らせる神鳥」として大切に保護してきました。ウミネコが群がる場所の下には好漁場(イワシやサバの魚群)が存在するためです。この自然への畏敬の念が、現代においては独自の金運祈願へと昇華しています。「蕪(かぶ)」という地名と「株」の語音を結びつけ、「自分の価値(人望・評価)が上がる」「保有する株価が上がる」「商売が繁盛する」という株上がり・金運向上の神徳が広く知られるようになりました。社務所で授与される「かぶあがりひょうたん御守」は、起業家や個人投資家をはじめ、昇進・資格合格を目指すビジネスパーソンにとって必携の授与品となっています。