現在、外食と内食の中間に位置する中食産業は目覚ましい発展を続けており、中でも寿司カテゴリーの伸びが著しい。農林水産省が公表した和食文化の消費動向調査によれば、家庭でのハレの日需要において、個食化に対応した高級テイクアウト商品の支持率が年々上昇しているという。この波に乗り、フードデリバリー業界でも宝石箱のような贅沢な見た目を誇るメニューの注文数が前年比で大幅な増加を見せている。
かつては大皿で振る舞われることが多かったちらし寿司だが、現在は一人ひとりが特別感を堪能できる重箱・弁当スタイルが主流となった。衛生面への配慮はもちろん、持ち帰り後も崩れにくい専用容器の開発が進んだこともブームを強固なものにしている。手軽さの中に「贅沢な時間」を求める消費者の心理を、現代の職人たちが見事に捉えた結果と言えるだろう。