小林麻美が「時代の顔」として決定的な存在感を放つきっかけとなったのが、1970年代後半から展開された資生堂のテレビCMだった。当時、化粧品各社が競い合うように放映していたキャンペーンCMの中で、彼女の放つ都会的で少し気だるげなオーラは異彩を放っていた。
尾崎亜美の楽曲『マイ・ピュア・レディ』が流れる中、風に髪をなびかせながらカメラを見つめる彼女の姿は、従来のアイドル的な明るさとは対極にある「大人の女性の孤独と凛とした美しさ」を提示した。笑顔を過剰に振りまかず、視線ひとつで物語を紡ぎ出すその佇まいに、同世代の女性たちは熱狂し、憧れの視線を注いだのである。