カチカチに固まる宿命を持つピザ用チーズを、いつでも指先でパラパラと振りかけられる状態にするには、物理的なアプローチと科学的な水分のコントロールを組み合わせるのが確実です。
現場の料理研究家や保存食のエキスパートが実践している最も手軽で効果的な手法が、片栗粉を使ったコーティング法です。シュレッドチーズ約200gに対して、小さじ1程度の片栗粉をジッパー付き保存袋に加え、袋の中に空気を含ませた状態で激しく振ります。片栗粉の微細なデンプン粒子がチーズ表面の余分な遊離水分を素早く吸着し、凍結時の氷の架橋形成を物理的に遮断します。「片栗粉を入れると料理の味が変わるのでは」と懸念されがちですが、この程度の微量であれば加熱時に自然なとろみへと変わり、ピザやグラタンの風味を一切損ないません。
もう一つの決定打が、冷凍庫投入後の「30〜60分シャッフル法」です。平らに広げて冷凍庫に入れたジッパー袋を、表面だけが凍り始めたタイミング(約30分から1時間後)で一度取り出し、袋の外から両手で揉みほぐすように全体を激しく振ります。急速に成長しかけている微細な氷の結合を機械的に分断することで、内部まで完全に凍結したあとも個々のチーズ片が独立し、最後までサラサラとした扱いやすい状態をキープできます。