インターネット上の安易な占いコラムやまとめ記事では、「相手のリアルな感触が残る夢は、相手があなたを強烈に想っているテレパシーの証拠」「両思いの前兆」といった甘美な言説が散見されます。しかし、ここには重大な心理的トラップが潜んでいます。
認知心理学における確証バイアス(自分の望む情報ばかりを集めてしまう心理)と投影(プロジェクション)のメカニズムを理解しなければなりません。自分がその相手に対して無意識下で抱いている執着や関心を、「相手から送られてきた波動だ」と解釈をすり替えてしまう現象です。
この誤解を鵜呑みにして「相手も私のことを好きなはず」と確信し、唐突に距離を詰めたり好意を押し付けたりした結果、職場や交友関係でハラスメントと受け取られて関係が破綻したトラブル事例は枚挙にいとまがありません。夢の鮮明さは、相手の気持ちの強さではなく、あくまであなた自身の内面における情動の波立ちの大きさを表しているに過ぎないのです。