『小悪魔ageha』というメディア自体の歩みもまた、出版業界の激動を象徴する波乱万丈のものでした。2006年の月刊化以降、驚異的な部数を誇ったものの、発行元のインフォレストが2014年4月に事業を停止し、負債総額数十億円を抱えて事実上の倒産に追い込まれました。当時、多くの読者が「ひとつの時代の終わり」を嘆きました。
しかし、そのブランド力は死に絶えませんでした。主婦の友社などを経て出版元の移管が繰り返され、2019年以降は紙媒体の定期刊行からWebメディア、公式YouTubeチャンネル、TikTokを中心としたデジタルファーストの体制へと移行。2021年以降は季刊誌やムック本としての紙の復刊プロジェクトも複数回成功させています。
現在における『小悪魔ageha』は、かつての平成ギャル文化をリスペクトする「Y2Kファッション」のリバイバルブームと結びつき、10代から20代前半のZ世代・α世代の女性たちからも再評価を受けています。現役の専属モデルには、新世代のインフルエンサーやTikTokクリエイターが名を連ねていますが、誌面に流れる「コンプレックスを努力でねじ伏せ、自分至上最高に可愛く生きる」という根本的な哲学は、平成から令和へと確実に継承されています。