主演を務めた三浦春馬は、本作の立ち上げ段階から深く関わっていた。当時23歳だった彼が「同世代の人々に命の尊さを伝える作品を作りたい」とフジテレビのプロデューサーに直接直訴したことから、このプロジェクトは始動した。
役作りにおける彼の執念は凄まじいものだった。ALS患者やその家族へ直接取材を重ね、病状の段階に応じた筋肉の衰えを表現するため、劇的な減量を敢行。撮影期間中は食事制限を徹底し、指先の些細な震えや呼吸の浅さまで緻密に表現し切った。現場スタッフによれば、撮影の合間も車椅子から降りず、拓人の呼吸音を体に馴染ませていたという。多部未華子との迫真の掛け合いも、互いへの深いリスペクトが生んだ奇跡的な化学反応と言えるだろう。