デジタル画面で描いたグラフィックを印刷物に展開する際、最も予期せぬ落とし穴となるのが赤色の濁りや褪色です。Adobe Creative Cloudをはじめとするツール上でデザインを行う現代のクリエイターにとって、カラーモードの変換は日常茶飯事ですが、ここには決定的な色域の限界が潜んでいます。
ディスプレイ上で目にするRGBの純粋な赤(#FF0000)は、印刷業界で採用されているCMYKプロセスの再現能力をはるかに超えています。印刷で濁りのない圧倒的な赤を再現するためには、マゼンタ100%とイエロー100%を掛け合わせた「金赤」をベースに設定するのが基本です。さらに深みを持たせる裏技として、あえてシアンを数%だけ隠し味として足し合わせる技法が存在します。RGBの広大な色域を計算に入れずにそのまま印刷データへ書き出してしまうと、くすんだ暗褐色に化けてしまうため、プロは媒体に応じた数値コントロールを徹底しています。