早稲田の医学部構想を語る上で、常にその中心に名前が挙がるのが東京女子医科大学だ。両校は物理的な距離の近さだけでなく、共同研究拠点の設置など長年にわたる協力関係を築いてきた歴史がある。
近年、東京女子医大が直面したガバナンス改革や経営再建の動きは、教育界に大きな波紋を広げた。この激震を契機に、水面下で「早稲田による救済型統合」あるいは「抜本的な包括連携の強化」が模索されるのではないかという観測が浮上した経緯がある。女子医大の伝統ある臨床力と、早稲田が持つ圧倒的な資金力・総合知が融合すれば、私立医科大学の勢力図は一気に塗り替わる。
もっとも、伝統校同士の統合には同窓会の反発や設立理念のすり合わせといった巨大な障壁がつきまとう。単なる吸収合併ではなく、互いの独立性を尊重しながらどのような資本・教育提携を結べるのか。水面下の綱引きは今も慎重に続いている。