早稲田の医学部設置に対する執念は、歴史的な文脈にも深く根ざしている。創設者・大隈重信は生前、総合大学としての完成形を目指し、医学領域の設置を強く構想していたとされる。しかし、政局や資金難の荒波に揉まれ、その夢は後世へと託された。
現在、田中愛治総長のもとで推進されているグローバルリーダー育成と世界水準の研究大学化において、生命科学領域の強化は避けて通れない命題だ。世界の有力大学ランキングを見渡せば、上位を占めるのは例外なく強力な医学・バイオ研究拠点を抱える総合大学ばかりである。
「世界で輝くWaseda」を掲げる現執行部にとって、医療・生命科学のフロンティアを切り拓くことは、創立者の遺志を継ぐだけでなく、グローバル競争を勝ち抜くための必須条件なのだ。