静岡市民文化会館が長期休館に入った根本的な理由は、1978年(昭和53年)の開館から40年以上が経過したことによる設備の経年劣化と耐震基準・ユニバーサルデザインへの適合です。空調設備や舞台機構、電気系統の老朽化が進み、現代の大規模コンサートや高度な舞台演出に対応するための全面的なアップデートが不可欠となっていました。
一時は静岡市内で「現地建て替え」や「他エリアへの新劇場移転・新設」といった議論も活発に交わされました。しかし、モダニズム建築の巨匠・前川國男が設計を手がけた歴史的建築物としての価値や、莫大な解体・新築コストを抑える財政的観点、さらに市民アンケートでの愛着の声が総合的に考慮された結果、躯体を活かした大規模改修による長寿命化ルートが選択された経緯があります。
関係者への取材および静岡市の公表資料によると、改修工事では天井の耐震化、照明のLED化、バリアフリーエレベーターの増設、多目的トイレの刷新、音響反射板や舞台機構の近代化が集中的に行われています。再開時期に向けたスケジュール調整やイベントスケジュールの受け入れ体制も段階的に整えられており、リニューアルオープンによって静岡の文化発信拠点としての機能が一段と強化される見込みです。