この親しみ深い味わいは、もはや家庭の食卓だけの専売特許ではない。
都内の新進気鋭のビストロやネオ居酒屋では、伝統的なふりかけの構造を解体・再構築した前菜やパスタがメニューに並ぶようになった。「鰹・卵・胡麻・海苔・甘辛醤油」という五重奏を、シェフたちは極上のテクスチャーとして捉え直している。カルパッチョの仕上げにクリスピーな食感のアクセントとして散らし、あるいはブッラータチーズの上にひとさじ乗せる。誰もが知る安心感のある味でありながら、全く新しいガストロノミーとしての顔を見せる柔軟性には驚かされる。