ビュッフェ愛好家のあいだで永遠の議論となる「パスタ食べ放題元を取る理由」と原価構造。外食企業関係者や飲食コンサルタントへの取材から得られたデータに基づくと、乾燥パスタ1食分(乾麺100g前後・茹で上がり約240g)の原価はわずか約25〜40円に過ぎません。これに定番のトマトソースやペペロンチーノ用オイルを加えたところで、1皿あたりの直接食材原価は約80〜130円前後に収まる計算になります。
仮に食べ放題の利用料金を2,200円(税込)とした場合、食材原価だけでこの金額を回収しようと試みるならば、原価100円のパスタを実に22皿平らげなければなりません。大食いプロやアスリートでない限り、一般的な人間の胃袋の容量(1〜1.5L程度)と炭水化物による血糖値の上昇スピードを考慮すれば、物理的に完全な食材原価超えを果たすのは不可能に近い数値です。
しかし、視点を「店舗の単品通常提供価格」という市場価値に切り替えると状況は一変します。通常のグランドメニューにおいてパスタは1皿800〜1,400円程度で販売されているため、「2皿〜3皿」を完食した時点で店舗の定価換算ベースでは軽々と元が取れる構造になっています。さらに魚介類(エビ、ホタテ、アサリなど)や生クリーム、ポルチーニ茸などの高原価食材をふんだんに使ったプレミアムメニューを意図して選ぶことで、原価回収率は跳ね上がります。