犬の体温を測定する際、最も信頼性が高いゴールドスタンダードは「直腸(肛門)測定」です。犬の皮膚表面温度は被毛や外気温の影響を強く受けるため、体内深部の温度(深部体温)を直接反映する直腸での検温が診断の基本となります。
犬の直腸での体温測定方法は、必ず2人体制で行うのが安全です。1人が愛犬の首回りと胴体を優しく抱きかかえて保定し、もう1人が測定を担当します。測定部の先端にワセリンやオリーブオイル、水溶性ゼリーを十分に塗り、肛門に対して水平、かつ背骨と平行になるよう角度を保ちながら、先端から2〜3cm程度(大型犬では3〜5cm)ゆっくりと挿入します。無理に押し込まず、検温完了の電子音が鳴るまで愛犬を落ち着かせながら静かに保持します。
直腸での測定を極端に嫌がる場合や暴れて危険な場合は、犬の耳での熱の測り方として動物専用の耳式体温計(鼓膜温測定器)を活用する選択肢があります。耳道を軽く外側に引っ張り、プローブをまっすぐ鼓膜の方向に向けて測定ボタンを押すだけで数秒で検温が可能です。ただし、外耳炎や耳垢の蓄積があると数値が低く出やすいため、日頃の耳掃除と定期的な比較が欠かせません。
なお、手軽さから犬の脇での熱の測り方を試みるケースも見られますが、被毛の厚みや皮膚のたるみによって外気の影響を受けやすく、直腸温より0.5〜1.5℃程度低く表示される傾向があります。脇下での測定値はあくまで参考値にとどめ、異常を感じた際は直腸測定または動物病院での受診を優先してください。