キャリアの後半においても、彼の勢いが衰えることはなかった。国民的長寿番組『渡る世間は鬼ばかり』での岡倉大吉役は、平成の視聴者にとって最も親しみ深い彼の姿だろう。時代の変化とともに変わりゆく家族のあり方を受け止め、時に悩み、時に温かく包み込む父親像は、日本のファミリードラマにおける一つの完成形と言える。
セリフの量が多くテンポの速い橋田壽賀子劇場の世界観においても、長年のキャリアで培われた確かな滑舌と感情表現で見事に演じきった。昭和の硬派なアクションや凄みのあるドラマから、親しみやすい家庭劇までを網羅する幅広い演技の振り幅こそが、彼が長年トップに君臨し続けた所以である。