ディロフォサウルスの毒と襟巻きは嘘?最新化石研究で判明した真の姿

ディロフォサウルスの毒と襟巻きは嘘?最新化石研究で判明した真の姿

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かつて1980年代の古い学説(サミュエル・ウェルズ博士らの復元)では、ディロフォサウルスの前上顎骨と上顎骨の間に深い切れ込み(サブナリアル・ギャップ)が存在したことから、「顎の強度が弱く、死肉を漁るスカベンジャー(腐肉食動物)か魚食性だったのではないか」と考えられていました。毒を吐くという創作設定も、この「顎の弱さを補うための特殊能力」という当時の学術的解釈を拡大解釈したものでした。

しかし、テキサス大学のアダム・マーシュ博士とティモシー・ロウ教授が発表した包括的な再記載モノグラフ(Marsh & Rowe, 2026)をはじめとする最新研究が、この定説を完全に打ち砕きました。最新の高解像度CTスキャンによる頭蓋骨の3次元再構築により、切れ込みに見えた部分は化石の保存状態による歪みであり、実際には強固な骨結合と分厚い顎筋の付着面を持つ極めてパワフルな骨格構造をしていたことが立証されたのです。

特徴的な頭部の2本のトサカについても新たな事実が判明しています。トサカの内部にはハニカム状の気室構造と無数の血管網の痕跡が走っており、軽量でありながら一定の構造強度を保っていました。打撃武器として使うには薄すぎるものの、血流によってトサカの色を変化させて同種間での威嚇や求愛(性淘汰)を行ったり、個体識別や体温調節のラジエーターとして機能していた可能性が極めて高いと結論付けられています。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。