長年語り継がれる伝説の根幹には、あまりにもドラマチックで酷なタイミングの一致があった。イベント開催の前日、メディアを通じて突如報じられた飯田圭織の結婚と妊娠。長年彼女を追い続けてきた熱心なファンにとって、バスツアーは「祝福」と「絶望」が背中合わせとなった過酷な試練の場へと一変したのだ。
集合場所となった早朝の新宿には、重苦しい空気が漂っていた。現地に集まったファンたちの表情は複雑そのもの。前夜にニュースを知り、眠れぬままバスに乗り込んだ者も少なくなかった。主催者側やスタッフも予期せぬ状況に動揺を隠せず、バス車内の空気は終始緊張感に包まれていたという。祝福すべきおめでたい報告でありながら、ファンにとってはアイドルとの距離感を突きつけられる残酷な現実。この極限状態の心理ドラマこそが、のちに伝説と呼ばれる真相の第一歩だった。