現在、ネット掲示板やSNSの一部では依然として「寿町は立ち入り厳禁の危険地帯」というステレオタイプな言説が見られます。しかし、現場の治安実態はそうした過去のイメージとは全く異なります。
昼夜を問わず街を歩いてみると、響き渡るのは怒号ではなく、デイサービスの送迎車の音や福祉事業所のスタッフと住民が交わす穏やかな挨拶です。路上でたむろして酒を飲む高齢者の姿は見られるものの、通行人に絡んだり金品を脅し取ろうとしたりするような凶悪犯罪の発生率は極めて低く、白昼に歩行者が危険に晒されるケースはまずありません。
かつて街を覆っていた暴力的な熱気は完全に消え去り、むしろ「静まり返った高齢者の住まう街」というのが、現在の寿町の客観的な姿です。