内紛によって巨額の負債だけが残された際、周囲の弁護士や関係者は会社更生法の申請や自己破産を勧めました。しかし、三船敏郎は「世話になった取引先や銀行に迷惑はかけられない」と語り、すべての負債を個人保証の形で引き受け、返済することを決意します。
ここから、三船敏郎の壮絶な返済劇が始まりました。
- CMへの積極的出演:映画俳優としてのブランドイメージに固執することなく、武田薬品「アリナミン」やサッポロビール、海外企業のコマーシャルへ精力的に出演。高額な出演料をすべて返済原資に充当しました。
- 海外映画・テレビシリーズへの挑戦:米テレビドラマ『SHOGUN(将軍)』(1980年)をはじめ、国際的な大型プロジェクトへ積極的に参加。海外市場での高いギャランティを獲得しました。
- 成城の自宅・資産の売却:世田谷区成城に構えていた広大な自宅敷地の一部売却や所有不動産の現金化を進め、負債の圧縮を急速に推し進めました。
自らの肉体を削るような過密スケジュールと資産売却により、1980年代末から1990年代初頭にかけて、三船は約20億円に達した負債をほぼ完済することに成功しました。