なんJのダイエットスレッドにおける最大の悲劇は、目標体重に到達した後に訪れる。なんJのダイエットでリバウンドする理由を解剖すると、そこには人間の生存本能と、掲示板文化特有の心理的トラップが複雑に絡み合っている。
なんJのダイエット挫折の経緯で最も典型的なパターンが、「チートデイの暴走」である。過酷なカロリー制限によって基礎代謝が低下した状態(適応性熱産生)を打開するため、あるいは減量達成の記念として「今日だけは好きなものを食う」と宣言したユーザーが、翌日以降も食欲のブレーキを失う事例が山のように投稿されている。
生理学的に見れば、長期の飢餓状態に置かれた体内では、満腹ホルモンである「レプチン」の分泌が底をつき、食欲促進ホルモンである「グレリン」が過剰分泌されている。この状態でピザやラーメンなどの高脂質・高糖質食品を口にすると、脳の報酬系(ドーパミン経路)がハイジャックされ、もはや強靭な精神力をもってしても暴飲暴食を食い止めることは不可能に近い。
結果として、筋肉量が減少し代謝が落ちきった「省エネ仕様の身体」に大量のカロリーが流し込まれ、わずか数週間で減量前の体重を上回る。掲示板で「リバウンドして前よりデブになったンゴ……」と書き込まれる悲鳴は、意志の弱さではなく、無知が生み出した生理学的必然の結果なのだ。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
ネット上の極端な減量法に飛びつく前に、読者自身がどちらの属性に属しているかを冷徹に見極めなければならない。
【おすすめできる人の条件】
- BMIが28以上あり、明らかに清涼飲料水や間食の過剰摂取が太っている原因だと自覚できている人
- 感情に左右されず、スマートフォンの記録アプリを用いて日々の体重と歩数を数値として淡々と管理できる人
- 「1ヶ月で劇的に変える」のではなく、「半年から1年かけて別の生活習慣を手に入れる」と割り切れる人
【慎重になるべき・避けるべき人の条件】
- 「0か100か」の完璧主義に陥りやすく、1回の間食や飲み会で「もう全て台無しだ」と自暴自棄になりがちな人
- 過去に摂食障害や極端な拒食・過食のサイクルを経験したことがある人
- ネット掲示板の「神引き報告」のような極端な短期成果に憧れ、数日単位の体重増減でメンタルが乱高下する人