ひと口に「黒ビール」と呼んでも、実は味わいも製法も全く異なる複数のスタイルが存在します。世界的なビアスタイル分類において、黒ビールは主に「下面発酵(ラガー)」と「上面発酵(エール)」の2つの系統、計4つの代表格に分類されます。
特に歴史的にも議論が尽きないのがスタウトとポーターの違いです。18世紀のロンドンで荷運び人(ポーター)たちに愛飲された濃厚な褐色のエールが「ポーター」の発祥とされています。そのポーターをより力強く、アルコール度数を高めて改良した派生形が「スタウト(英語で『強い、どっしりした』の意)」です。スタウトの多くは、発芽させていない大麦をそのまま黒焦げになるまで焙煎した「ローストバーレイ」を使用するため、よりシャープな苦味とドライな後味、深い漆黒が際立ちます。
以下の比較表は、主要な4大黒ビールスタイルの製造スペック、度数、およびカロリー・糖質をまとめた客観データです。
黒ビールアルコール度数の詳細まとめを見ると、シュバルツや一般的なドラフトスタウトは4.0〜5.0%程度であり、通常のピルスナービール(約5.0%)と同等か、銘柄によってはむしろ低い数値を示しています。また、健康志向の読者が気にする黒ビールのカロリーと糖質についても、淡色ビール(100mlあたり約40〜43kcal、糖質約3.0g)と比較して大きな乖離はありません。ギネスなどのドライスタウトは、残糖が少ないため100mlあたり約35kcalと、一般的なビールより低カロリーであることは意外に知られていない事実です。