特定班が怖いと言われる理由は、プライバシーを丸裸にされる恐怖だけではありません。最も恐ろしいのは、彼らの調査が無関係の第三者を巻き込む「誤爆」と凄惨な冤罪を日常茶飯事に引き起こす点です。
象徴的な例として語り継がれているのが、2019年に発生した常磐道あおり運転殴打事件における誤爆騒動です。当時、ガラケーで現場を撮影していた同乗者の女性を巡り、ネット上の特定班が暴走。全く無関係な都内の一般女性の実名や顔写真、会社情報が「犯人の女」として拡散されました。数百件以上の誹謗中傷電話が女性の勤務先や家族に殺到し、女性の生活基盤は一瞬で破壊されました。のちに発信者たちには名誉毀損容疑での法的責任が科され、損害賠償命令が下されましたが、一度デジタル空間に刻まれた冤罪の傷跡は現在も完全に消えていません。
特定班による炎上事件の経緯を振り返ると、彼らは「断片的な一致」を勝手に「動かぬ証拠」と錯覚する確証バイアスに陥りがちです。似た服装、同じネイルの色、投稿時間の重複など、偶然の一致を盲信して個人情報を拡散し、集団ヒステリーのようなネットリンチを引き起こします。無責任な推測が事実無根の暴力を生み出す構造こそが、特定班最大の暗部です。