『SP 警視庁警備部警護課第四係』における真木よう子の登場は、当時のドラマ界において極めて鮮烈でした。彼女が演じた笹本絵里(巡査部長)は、元所轄の少年係出身で、卓越した射撃能力と鋭い直感を併せ持つ警護課のスペシャリストです。
トレードマークとなったシャープなショートヘアと、仕立ての良いダークスーツに身を包んだ佇まいは、媚びのないストイックなプロフェッショナリズムを体現していました。劇中で見せる無駄のない所作や、任務中に見せる冷徹なプロの顔と、待機中に見せる同僚へのドライな毒舌。この絶妙なコントラストが、キャラクターに唯一無二の奥行きを与えていました。
当時のドラマ制作関係者の証言によると、キャスティングの段階から「単なる華としての女性警官ではなく、屈強な男たちと対等に現場の最前線を張れる強靭な存在感を持つ女優」が求められていました。映画『パッチギ!』や『ゆれる』で高い評価を得ていた真木よう子の起用は、まさに制作陣の狙い通り、作品のリアリズムを根底から支える決定打となったのです。