「花のち晴れ」終わり方はなぜ微妙?最終回のモヤモヤと原作結末を徹底解剖とはどんな影響があるのか? 背景や要点を丁寧に紐解いて紹介します。
ドラマ版の結末に納得がいかない読者が必ず辿り着くのが、神尾葉子による原作漫画版『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(集英社ジャンプコミックス・全15巻)の存在です。実は、ドラマの結末と原作漫画の最終回には大きな隔たりがあります。
ドラマ放送当時(2018年6月時点)、原作漫画は「少年ジャンプ+」で連載中であり、単行本も9巻付近までしか刊行されていませんでした。つまり、ドラマ制作陣は原作が完結していない段階で、独自の終着点を設定せざるを得ない制作上の制約を抱えていました。
これに対し、2019年12月に完結を迎えた原作漫画の最終巻(第15巻)では、音と晴の恋路がドラマとは全く異なる丁寧さで描かれています。
比較項目ドラマ版(全11話)原作漫画版(全15巻)編集部の見解・評価音と晴の恋の決着時計広場での再会直後、「それから」のモノローグで終了(交際描写なし)晴が音へ真っ直ぐに想いを告げ、音が晴を受け入れて正式に両想いとなる原作では告白の言葉と受諾が明確に交わされており、読者のモヤモヤは完全に解消される構成。馳天馬との関係性武道対決後、潔く身を引く形で音が去るのを見送る音の気持ちを尊重して婚約解消。その後も自立したリーダーとして成長天馬の人間的魅力は共通しているが、原作の方が別れに至る内面的葛藤の納得度が高い。物語の到達点原作の中盤にあたるエピソードで急遽ストーリーを総括英徳学園を守る晴の自立と、音が自らの生き方を選ぶ過程を完結まで描写ドラマは連載中ゆえに「恋の始まりの前夜」で止めざるを得なかった構造的限界が見て取れる。読者・視聴者の満足度傾向「不完全燃焼」「続編前提の構成」として賛否が二極化「花男の世界観を美しく継承した」と王道ファンから高評価を獲得ドラマで不満を抱いた視聴者が原作漫画の単行本を購入し、補完する現象が定着。
原作漫画では、晴が自らの弱さを克服し、父親に認められる一人前の男へと成長していくプロセスが丁寧に描かれています。音との関係も、単なる高校生の恋愛ごっこではなく、互いの人生を支え合うパートナーシップへと昇華していくため、最終巻を読んだ読者の読後感はドラマのそれとは大きく異なり、極めて爽快なものとなっています。