死刑囚がブログを書く。それだけでも十分に異例の事態だった。だが、人々を最も驚愕させたのは、その内容の「豊かさ」である。拘置所という極限の閉鎖空間にいながら、彼女の文章からは悲壮感がまったく感じられなかった。
差し入れられる高級洋菓子、お気に入りのエシレバター、そして拘置所の限られた食事をいかに「美味しく」アレンジして食べるか。彼女のペンは、まるで一流のフードライターのように軽やかだった。事件で命を奪われた男性たちの無念をよそに、彼女は自らの「食欲」と「自己顕示欲」をネット上で満たし続けていたのだ。このアンバランスさが、当時の読者に強烈な違和感と、ある種の嫌悪感を伴う興味を植え付けた。