坪庭(つぼにわ)とは、一般的に建物と建物、あるいは塀や部屋の間に挟まれた1〜3坪(約3.3〜10平方メートル)程度の狭小スペースに造られる小庭園を指します。その起源は古く、平安時代の貴族邸宅「寝殿造」の壺(部屋と部屋の間の小スペース)に植物を植えた「壺庭」にまで遡り、室町時代の茶の湯文化を経て、江戸時代の京都に代表される町家建築で実用的な知恵として完成されました。
間口が狭く奥行きが深い町家において、奥まった部屋に光と風を届けるための「通り庭」や「坪庭」は、生活環境を快適に保つための生命線でした。現代の住宅建築においても、住宅密集地で隣家との距離が近い敷地条件を克服する知恵として、この坪庭採光通風メリットが再評価されています。
よく混同される「中庭(パティオ)」と坪庭には、空間の用途とスケールにおいて明確な違いが存在します。