救急安心センター事業のコールセンター現場では、どのようなプロセスで相談が処理されているのでしょうか。関係自治体の公開資料および現場経験者の取材証言から、その舞台裏を紐解きます。
電話が繋がると、まず一次受けの相談員または看護師が「緊急度判定プロトコル(家庭自己判断用・電話相談用)」と呼ばれる標準化されたアルゴリズムに従って症状を聴取します。このプロトコルは日本救急医学会などの専門知見を結集して開発されたもので、主訴ごとに体系化された質問ツリーによって構成されています。
判定結果は主に以下の4段階に分類されます。
- 赤(今すぐ救急車を呼ぶべき):通話を切らずに消防署の119番管制台へ直接回線を接続・転送。
- 橙(速やかに医療機関を受診すべき):自家用車やタクシー等で数時間以内の受診を推奨し、診察可能な病院を案内。
- 黄(翌日以降の診療時間内の受診を推奨):翌朝にかかりつけ医等を受診するよう助言。
- 緑(家庭での経過観察・応急手当):水分補給やクーリングなど自宅でできる対処法を案内。
ネット上の口コミでは「マニュアルを棒読みしているだけ」と揶揄されることもありますが、現場の看護師は限られた音声情報のみから重大な疾患の見落とし(オーバートリアージ・アンダートリアージの防止)を防ぐため、極限の緊張感の中で規定のチェック項目を網羅しています。背後には必ず指導医が待機しており、判断に迷う症例は即座に医師へカンファレンスを行って最終判断を下す体制が整えられています。