1997年4月に草野仁からバトンを受け継ぎ、通算27年半・1400回以上にわたり総合司会を務めた『朝だ!生です旅サラダ』。2024年9月28日の放送をもって同番組を卒業したことは、日本のテレビ界におけるひとつの時代の区切りとなりました。
卒業を決断した背景には、いくつかの明確な理由が存在します。第一に、73歳(当時)という年齢を迎え、毎週金曜日に大阪のスタジオへ前乗りし、土曜早朝から生放送に臨むという過密スケジュールの肉体的負担です。長年当たり前のようにこなしてきた生放送のプレッシャーは、体調回復期の身体にとって決して小さくありませんでした。
第二に、「番組の未来に向けた世代交代」という神田正輝自身の美学です。番組内で後輩出演者たちを温かく見守り、それぞれの個性を引き出す父親のような立ち位置を築いてきた神田は、自分が元気なうちに次の世代へバトンを渡すことが最善であると判断しました。卒業当日の放送でも湿っぽい演出を嫌い、「僕は旅サラダが大好きです。これからも土曜の朝は旅サラダを見てください」と爽やかな笑顔で締めくくった姿は、視聴者の胸を強く打ちました。