ネット上の掲示板やSNS、知恵袋といったコミュニティには、夜な夜な恐怖に怯えるドライバーからの悲鳴に似た書き込みが溢れ返っています。交通事件を手掛ける実務法曹や元交通課捜査官の証言を交えながら、ネット空間の生の声と警察組織の内部事情を照らし合わせると、現場の極めて人間的かつ官僚的な選別プロセスが見えてきます。
「深夜の首都高で赤い光を浴びてから45日。郵便受けを開けるたびに手が震えていたが、結果的に何も来なかった。精神的ペナルティが最大の罰だった」(30代男性・会社員の手記より)
このような「精神的拷問」を経験したドライバーが通知を免れる背景には、警察署内で行われる「写真審査会議」の厳格なフィルターがあります。交通捜査官の現場証言によれば、オービスによって撮影された画像は、そのまま自動で送付状が印刷されるわけではありません。ベテランの鑑識係や捜査官の肉眼によって、1枚1枚綿密な拡大審査が行われます。
「ピントの甘さ、夜間のシャッタースピードによる被写体ブレ、同乗者の手や荷物による運転席の遮蔽など、裁判で弁護側から『これは本当に本人なのか』『助手席の人物がハンドルを握っていたのではないか』と突っ込まれる余地が1%でもある写真は、検察審査会や公判維持の手間を考慮して、警察の裁量で破棄されるケースが確実に存在する」と関係者は明かします。警察側も公判を維持して確実に有罪を勝ち取る義務があるため、証拠価値の低いボーダーライン上の画像に無駄な捜査人員を割く余裕はないというのが現場の冷徹なリアルです。