一発勝負のノックアウトステージにおいて、勝負の行方を大きく左右するのがワールドカップ決勝トーナメント延長PKルールの適用です。FIFAの現行レギュレーションでは、90分間の前後半で同点の場合、15分ハーフの計30分間にわたる延長戦を実施。それでも決着がつかない場合に、運命のPK戦(各チーム5人ずつ、以降サドンデス)へと移行します。
交代枠は通常の試合時間内で5人(交代回数はハーフタイムを除き3回まで)が認められており、延長戦に突入した場合は「6人目の交代枠」と「1回の追加交代機会」が付与されます。また、選手の安全を守るための脳震盪による特別交代枠(プロトコル適用時)も独立して確保されています。
スポーツ心理学の観点からも、スタジアムを埋め尽くす数万人の大歓声と全世界数十億人の視線が注がれるなかで行われるPK戦は、極限の心理的プレッシャーをもたらします。過去の敗退劇に直面した代表選手たちが手記やインタビューで明かした「ペナルティスポットまでの数十メートルが果てしなく遠く感じられた」「足の感覚が消えるほどの重圧」という告白が物語るように、技術やキック精度以上に、確固たる心理的ルーティンとチームとしての連帯感が勝敗を決定づけます。