「川の水が海に注ぎ続けているなら、海の水は薄まるのではないか」「そもそも川の水がしょっぱくないのはなぜか」という疑問を抱く方は少なくありません。ここには水の循環と蒸発の仕組みが深く関わっています。
雨水は空気中の二酸化炭素をごくわずかに溶かし込んでいるため、弱い酸性を持っています。この雨が山や大地に降り注ぐと、岩や土壌を極めてゆっくりと削り、ミネラル分を溶かし出しながら川となって海へ流れていきます。つまり、川の水にも塩分の元となるミネラルは確実に含まれています。ただし、その濃度が人間の舌では感知できないほど極めて薄いため、「しょっぱくない」と感じるのです。
問題は、川の水が海に到達した後のプロセスです。海に注ぎ込んだ水は、太陽の熱によって水蒸気となり空へと蒸発していきます。しかし、水蒸気として空に昇るのは純粋な「水」だけであり、溶けている塩分やミネラルは一切蒸発せず海に残ります。
何億年、何十億年という途方もない歳月にわたり、「川からごくわずかな塩分が運び込まれ、純粋な水だけが蒸発する」というサイクルが繰り返された結果、海にだけ塩分が濃縮され、現在のようなしょっぱい海が完成しました。