無鄰菴の見どころは庭園だけにとどまりません。敷地の奥にひっそりと佇む煉瓦造り2階建ての洋館は、明治の日本が直面した最大の外交危機を象徴する歴史遺産です。
1903年(明治36年)4月21日、この洋館2階の一室に、元老・山県有朋、政友会総裁・伊藤博文、総理大臣・桂太郎、外務大臣・小村寿太郎の4人が集結。緊迫する対ロシア情勢を巡り、日露開戦に向けた基本方針を決定づけた極秘会談、いわゆる「無鄰菴会議」が開催されました。
洋館2階の会議室には、金箔地に日本の伝統文様を織り込んだ華麗な格天井や、当時の空気感を物語る重厚な家具が保存されています。西洋建築の技術と日本の職人技が融合した内装デザインは建築的にも価値が高く、日本の進路が定まった瞬間の張り詰めた空気感を今に伝えています。