麻疹の予防接種歴を読み解く最大の鍵は、予防接種法が改正されてきた麻疹定期接種の経緯にあります。日本のワクチン行政は公衆衛生の進展とともに段階的な変更を重ねてきたため、生まれた生年月日によって接種機会そのものが異なっています。
端的に結論を述べると、制度として定期接種が一度も行われていなかったのは昭和52年(1977年)4月1日以前に生まれた世代です。この世代は法律に基づく集団接種の対象外であり、任意接種を選択しなかった場合は接種歴がありません。ただし、当時は麻疹ウイルスが日常的に流行していたため、自然感染によって終生免疫を獲得している人が多いのも特徴です。
一方で、現代の感染予防において最も注意を要するのが、昭和52年(1977年)4月2日〜平成2年(1990年)4月1日生まれに該当するはしかワクチン1回接種世代です。1978年10月に麻疹ワクチンの定期接種が開始されたものの、当時は一生に「1回のみ」の接種設計でした。以下の早見表で、世代ごとの接種制度の違いを確認できます。