純という複雑な役柄に命を吹き込んだ吉岡秀隆は、現在も日本を代表する実力派俳優として唯一無二の異彩を放ち続けている。幼少期から十数年にわたり一つの役を演じ続けるという、俳優として極めて稀有な体験を経た彼は、その後も映画『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや『Dr.コトー診療所』など、記憶に残る数々のヒューマンドラマで主演を務めてきた。
近年のインタビューで吉岡が明かすのは、純という重厚な役柄が自身の血肉となり、どこか背中を押してくれる存在であると同時に、時に乗り越えるべき壁でもあったという素直な述懐だ。年齢を重ねるごとに静けさと凄みを増す彼の芝居は、富良野の大地に揉まれた少年時代の原体験があるからこそ到達できた境地と言えるだろう。