単に高い音が出せるだけでは、「僕のこと」を歌いこなすことはできない。真の難しさは、地声(チェストボイス/ミックスボイス)と裏声(ファルセット)の境界線を感じさせないシームレスなチェンジ(換声点制御)にある。
サビのメロディラインでは、一小節の中で地声最高音のhiBやhiC#と、ファルセットの超高音域が目まぐるしく交錯する。声帯のテンションを瞬時に切り替え、ピッチを完璧に保持する技術は圧巻だ。息のスピードを一定に保ちながら輪状甲状筋を極限までコントロールする大森のヴォーカルアプローチは、ボイストレーナーたちの間でも研究対象となっている。