免税店の大型バス乗り場はガラガラなのに、セレクトショップの前には長蛇の列——。これが2026年のソウルのリアルな光景だ。中国の若者たちが求めているのは、分かりやすい高級ハイブランドではない。韓国発の独立系デザイナーズブランドや、SNSでバズった現地限定のスキンケア商品だ。
とりわけ美容分野の消費は凄まじい。ソウル江南エリアの皮膚科や美容クリニックでは、事前予約を済ませた中国人客が次々と訪れ、ボトックスや最新の水光注射を「日帰り感覚」で受けていく。通訳スタッフを自前で配置するクリニックも増えた。モノを買う「所有」から、現地のトレンドを体験する「消費」へ。この変化のスピードに対応できた店舗だけが、いま莫大な利益をさらっている。