こうした命の現場のリアルは、エンターテインメントやメディアを通じても広く知られるようになった。人気漫画およびドラマとして社会現象となった『コウノドリ』では、未受診妊婦や孤立出産といった重厚なテーマが正面から描かれ、視聴者に強い衝撃を与えた。
単なるフィクションにとどまらず、数々の医療ドキュメンタリー番組でも慈恵病院の取組みが取り上げられてきた。画面越しに伝わるのは、教科書通りの美しい医療ドラマではなく、苦悩し、葛藤しながらも命を繋ごうとする人間たちの濃密なヒューマンドラマである。作品を見た多くの人々が、これまで見ようとしなかった社会の闇に目を向け始めている。