2003年のバンド解散後も、彼らの残した文化的インパクトは衰えることがなかった。その軌跡と解散後のそれぞれの姿を立体的に捉えたドキュメンタリー『たまの映画』は、映画ファンや音楽マニアの間で今なお語り継がれる秀作である。
カメラは、時代を駆け抜けた4人の静かな熱量と、解散後の生活、そして音楽に対する不変のスタンスを克明に記録している。スクリーンの中で石川は、過去の熱狂に固執することなく、ただ眼前にある音を楽しむ一人の音楽家としてたたずんでいた。ブームという泡沫の熱狂を通り抜けた者だけが持つ、潔さと音楽への底知れぬ愛がそこには溢れていた。