乳がんサブタイプ分類と最適治療の全貌:個別化医療がもたらす希望

乳がんサブタイプ分類と最適治療の全貌:個別化医療がもたらす希望

乳がんサブタイプ分類と最適治療の全貌:個別化医療がもたらす希望の要点や背景を丁寧にまとめました。最新トレンドを一目で把握できます。

乳がんの病理診断では、ホルモン受容体(エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体)とHER2(ヒト上皮増殖因子受容体2型)タンパク質の発現、さらに細胞増殖の活発さを示すKi-67の数値などを確認します。これらに基づき、治療の方針を決定づける主な分類が整理されます。

日本乳癌学会が発行するガイドラインや各種の医療・腫瘍学ガイドでも示されている通り、全体の約6〜7割を占めるのがホルモン受容体陽性の「ルミナール型」です。特に増殖活性が低いルミナールA型乳がんにおいては、ホルモン療法(内分泌療法)が治療の中心となり、多くのケースで抗がん剤治療を回避することが可能になります。一方、増殖活性が高いルミナールB型では、ホルモン療法に加えて化学療法やCDK4/6阻害薬の併用が考慮されます。

HER2タンパク質が過剰発現しているHER2陽性乳がんは、かつて進行が早く再発リスクの高いタイプとされていました。しかし、HER2タンパクをピンポイントで攻撃する分子標的薬(トラスツズマブやペルツズマブなど)の開発により、予後は著しく改善しました。現在は抗がん剤と分子標的薬を組み合わせた全身療法が標準的なアプローチです。

ホルモン受容体もHER2もすべて陰性であるトリプルネガティブ乳がんは、標的となる受容体が存在しないため、従来のホルモン療法やHER2標的薬が効きません。そのため長らく化学療法が頼みの綱でしたが、後述する免疫チェックポイント阻害薬や新世代の薬物療法の登場によって、治療の選択肢は急速に広がっています。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。