フィリピン出身の大道マルガリータさんは、異国の地である長野で息子を育て上げた。どんなに厳しい日々であっても笑顔を絶やさず、家庭を明るく照らし続けた。息子の御嶽海久司が相撲の道に進むと決めたとき、一番の理解者として背中を押したのも彼女だ。
「息子が勝つと本当に嬉しいけれど、怪我だけが心配」。常々そう口にするマルガリータさんの言葉には、一人の母親としての切実な祈りが込められている。お店を訪れる常連客に息子の近況を楽しそうに語る姿は、地元でも名物風景だ。土俵で見せる厳しい表情とは対照的に、母の前で見せる素顔にファンは心を寄せている。