1988年に放送された伝説的ドラマ『とんぼ』。長渕剛演じる主人公・小川英二の妹役として抜擢されたのが、当時アイドルからの本格的な女優脱却をかけて挑んでいた国生さゆりだった。撮影現場における長渕の芝居に対する姿勢は妥協を一切許さず、周囲を圧倒するような緊張感が常に漂っていたという。現場の裏側を知る当時のスタッフは、「長渕さんの魂を削るような演技指導に対し、国生さんも一歩も引かずに正面からぶつかっていた」と明かす。
やがて二人の関係性は画面の中にとどまらず、現実の私生活においても密接な結びつきを見せるようになる。トップアイドル出身の若手女優と、時代のカリスマシンガーによる熱愛報道。過熱するワイドショーのカメラと過酷なバッシングの渦中に晒されながらも、二人が見せた存在感はあまりにも強烈だった。知られざる真相として、互いの表現者としての才能や孤独を誰よりも深く見抜いていたからこそ、安易な妥協を許さない壮絶な関係性が築かれていたのである。