化粧ポーチやコンパクトの中に収まっている使用済みのパフ。一見すると「少し肌色に染まっている程度」に見えるかもしれませんが、顕微鏡レベルで観察すると凄まじい環境が広がっています。日本国内の衛生検査機関や皮膚科医の検証データによると、わずか1週間洗わずに放置したメイクスポンジには、トイレの便座と同等以上の雑菌(数十万〜数百万個単位)が存在しているケースが珍しくありません。
肌トラブルを引き起こすメカニズムは非常に明快です。ファンデーションに含まれるシリコンや植物性・鉱物性オイルに、肌から分泌された皮脂と汗、剥がれ落ちた角質が混ざり合います。これが常温かつ密閉されたポーチ内で酸化し、皮膚常在菌のバランスを崩す「黄色ブドウ球菌」や「アクネ菌」、さらにはカビ類(真菌)にとって格好のエサとなるのです。
毎朝メイクをするたびに、繁殖した雑菌と酸化した皮脂の塊を肌へ直接塗り広げている状態になれば、毛穴の炎症やコメド(白ニキビ)、赤みやかゆみが生じるのは必然といえます。さらに、汚れで繊維が固くなったパフは摩擦係数が跳ね上がり、肌表面の角質層を傷つける物理的ダメージの原因にもなります。健やかな素肌を維持するための大前提として、パフを洗う頻度は「最低でも週に1回」、理想を言えば「使用する面を変えて2〜3日に1回」が皮膚科学的にも推奨される鉄則です。