園芸愛好家のみならず、愛犬家や子育て世帯が最も警戒すべき要素が、ランタナの毒性と危険性です。ランタナは茎、葉、根、そして果実に至るまで全草に有毒成分を蓄えています。
その毒性の正体は、三環性トリテルペノイドに分類されるランタデン(Lantadene AおよびLantadene B)と呼ばれる猛毒物質です。特に黒く熟す前の青い未熟果には高濃度のランタデンが含まれており、誤って口に含んだ場合、消化器系の激しい炎症、胆汁うっ滞性の肝不全、黄疸、そして光線過敏症を引き起こします。
家庭環境において特に深刻なのが、ランタナの犬・猫による誤食事故です。庭を駆け回る犬が遊び半分で葉や未熟な実を噛んだり、猫が葉をかじったりすることで中毒症状を発症する事例が動物病院で報告されています。体重数キロの小型犬や猫の場合、ごくわずかな摂取量であっても数時間から半日で以下のような重篤な症状が現れます。
- 初期症状:激しい嘔吐、下痢、流涎(大量のよだれ)、食欲不振、沈鬱状態
- 進行期の症状:急性肝機能障害、皮膚や眼球結膜の黄疸、運動失調、筋力低下
- 重篤化:光線過敏症による皮膚の壊死・潰瘍化、最終的には昏睡から死に至る
さらに見過ごせないのがランタナの実の毒と小さな子どもの接触事故です。青い未熟果はブルーベリーやグリーンピースに似た形状をしており、好奇心旺盛な乳幼児が庭先で摘み取って口に入れてしまうリスクが常に付きまといます。野鳥は果肉のみを消化し毒を含む種子を無傷のまま排出するため中毒を起こしませんが、咀嚼して種子をすり潰してしまう哺乳類にとっては極めて危険な毒物となります。