ネット上の情報では「漢方薬だから副作用がなく安全」「風邪のひき始めなら誰でも飲んで良い」という誤った言説が散見されます。しかし、小柴胡湯加桔梗石膏は重大な副作用リスクを内包するハイリスク漢方薬の一角である事実を決して見逃してはなりません。
最大の警戒事項は、配合されている「柴胡(さいこ)」と「黄芩(おうごん)」に起因する間質性肺炎です。1990年代、慢性肝炎の治療薬として小柴胡湯が広く処方された際、インターフェロン製剤との併用などで多数の間質性肺炎発症例や死亡例が報告され、社会的な薬害問題として大きく報じられました。小柴胡湯加桔梗石膏も小柴胡湯の骨格をそのまま保持しているため、同様の重大な警告が添付文書に明記されています。
息切れ、呼吸困難、空咳(痰を伴わない乾いた咳)、発熱などの初期症状が現れた場合は、直ちに服用を中止して呼吸器専門医を受診しなければなりません。また、インターフェロン製剤を投与中の患者には禁忌(併用禁止)となっています。
さらに、甘草(かんぞう)を含むことによる「偽アルドステロン症」にも注意が必要です。甘草の主成分であるグリチルリチンを過剰摂取すると、低カリウム血症や血圧上昇、むくみ、手足の脱力感・しびれが生じます。他の風邪薬や漢方薬、胃腸薬などとの重複服用により、甘草の一日許容量を超えてしまうケースが後を絶ちません。