「指導者募集の案内を見て憧れて始めたが、想像と違った」として、数年で教室を閉じる指導者も一定数存在します。ネット上の口コミや現場コミュニティ、知恵袋等に寄せられる指導者の生々しい告白を精査すると、挫折の要因は大きく3点に集約されます。
1. 開校日以外の「見えない労働時間」が長すぎる
公文書写の指導は、教室を開けている「週1〜2回、各3〜4時間」だけでは終わりません。生徒が提出した清書や練習用紙を持ち帰り、自宅で1枚1枚赤ペンを入れて丁寧に指導コメントを書く「持ち帰り添削」に膨大な時間を奪われます。
「教室運営は週1日だが、自宅での添削と教材準備に週3日、毎日2〜3時間費やしている。手取り月収5万円を実際の拘束時間で割ると、時給500円未満になってしまう」というベテラン指導者の手記に見られるように、時間対効果の悪さに悩む声は後を絶ちません。
2. 自力での「生徒集客」に対する重圧
公文という抜群のブランドネームがあるとはいえ、本部は地域の見込み客を自動的に割り振ってくれるわけではありません。開校初期は指導者自身が近隣住宅へチラシをポスティングしたり、地域の掲示板にポスターを貼ったり、知人・友人に声をかけたりする泥臭い営業活動が求められます。集客が苦手な指導者にとっては、生徒数が一向に増えないプレッシャーが精神的重荷になります。
3. 生徒・保護者対応の気疲れ
子どもの生徒を通わせる保護者とのコミュニケーションや、進級・段位取得に対する要望への対応、さらには急な欠席・振替への対応など、きめ細やかな対人配慮が不可欠です。書道教室というよりは「接客・教育サービス業」としての対人ストレスに耐えかねて「辞めたい」と感じる指導者も少なくありません。