ネット検索で「浴衣ドレス」と入力すると、サジェストに「ダサい」「マナー」「批判」といったネガティブな単語が並びます。浴衣ドレスがダサいとされる理由を服飾・デザインの視点から掘り下げると、和服が持つ本質的な構造と、洋服的な装飾が引き起こす「視覚的な違和感」に行き着きます。
伝統的な浴衣は、布を直線で裁断し、身体のラインを隠すことで「衿元の抜け」や「裾の直線美」を際立たせる美意識に基づいています。対して浴衣ドレスは、ウエストを絞り、裾にボリューミーなフリルやレースを配した釣鐘型のシルエットが主流です。この和洋の要素が中途半端に混ざり合うことで、愛好家や伝統を重んじる層から「安っぽく見える」「キャバクラの衣装のようだ」という厳しい見方を招いてしまうのです。
さらに火に油を注いでいるのがマナー面での摩擦です。浴衣ドレスに対するマナー批判の多くは、ミニスカート丈による過度な脚の露出と、衿元のだらしなさに向けられています。ネットの反応を定点観測すると、掲示板やSNSでは以下のような手厳しい書き込みが目立ちます。
「神社の境内で行われる例大祭に、太ももまで露出した浴衣ドレスで来るのは神事に対する敬意を欠いている」「しゃがんだ際の下着の見えそうな危うさが不快」といった意見です。本来、浴衣は平安時代の湯帷子(ゆかたびら)に起源を持つ庶民のくつろぎ着ですが、現代では「夏の正装に近い準礼装」と認識する人が増えたため、肌を過剰に露出するアレンジが「品性がない」と断じられる要因になっています。