長年にわたりインターネット上やタブロイド紙で語られてきたヴィクトリア・ベッカムのイメージには、いくつかの根強い誤解が存在します。
代表的なものが「写真で絶対に笑わない冷徹なセレブ」というパブリックイメージです。これについてヴィクトリア本人は、英『Vogue』のインタビューなどで「若い頃、パパラッチの激しいフラッシュに晒され続けた結果、身を守るための鎧(アーマー)として無表情を作っていた」と明かしています。自らの容姿に対するコンプレックスや過度なメディア報道から自己防衛するための心理的防壁であったと語っており、親しい友人や家族の前では極めてユーモラスで自虐的なジョークを好む性格であることは、近年の公式映像やSNSの投稿からも広く知られるようになりました。
また、「ブランドは夫の財力による道楽経営」という批判も的外れです。立ち上げから10年以上の間、巨額の赤字を垂れ流しながらも外部の投資ファンド(Neo Investment Partnersなど)を受け入れ、製品クオリティの妥協なき追求とラインナップの再編を断行。結果として、プロのファッション批評家たちから正当な評価を獲得するに至ったプロセスは、生半可な道楽では不可能な執念の賜物といえます。