つるバラを育て始めた人の多くが抱く疑問が、「なぜわざわざ枝を横に倒したり、オベリスクに巻き付けたりしなければならないのか」という点です。その答えは、植物本来が持つホルモンバランスと頂芽優勢(ちょうがゆうせい)という性質にあります。
植物には、枝の最先端にある芽(頂芽)に成長ホルモン「オーキシン」が集まり、側芽の成長を抑えて上へ上へと伸びようとする習性があります。つるバラの枝を直立させたまま放置すると、エネルギーが最上部だけに集中し、株元や中間部はスカスカで先端にしか花が咲きません。これが「せっかく育てたのに花が咲かない」と感じる大きな原因です。
そこで枝を水平(または45度前後の斜め)に倒すと、オーキシンの偏りがリセットされ、枝のすべての節に均等に植物ホルモンと養分が行き渡ります。結果として、眠っていた節々から一斉に新しい花枝が吹き出し、壁面やフェンス一面を埋め尽くす圧倒的な花数が生まれます。