国民栄誉賞の歴史において、近代の2つの授与は制度そのものの価値観を大きく拡張しました。
2018年、歴代最年少となる23歳で受賞した羽生結弦氏。平昌冬季五輪での劇的な連覇達成はもちろん、東日本大震災の被災地支援や、自らの影響力を社会貢献へと還元し続ける人間性が高く評価されました。若年層への授与は「現役アスリートには重すぎる」という従来の懸念を払拭し、新時代の旗手としての象徴となりました。
さらに2026年には、車いすテニス界の絶対王者である国枝慎吾氏が、パラスポーツ選手として史上初の受賞を果たしました。四大大会とパラリンピックを制覇する「生涯ゴールデンスラム」を達成した競技実績にとどまらず、日本のパラスポーツを取り巻く環境やバリアフリー意識を根本から変革した功績が、国家最高の栄誉によって公式に認められた瞬間でした。