進学先を検討する受験生や保護者が最も気にする指標が、入試時の難易度を示す「偏差値」と、出口戦略の要となる「薬剤師国家試験合格率」の推移です。
大手予備校が公表する2026年最新の入試難易度指標において、日本薬科大学薬学部薬学科の偏差値はボーダーフリー(BF)から40.0前後で推移しています。私立大学薬学部の新設ラッシュと少子化の影響を受け、首都圏の私立中堅薬学部と同様に入学間口は比較的広く設定されています。
しかし、薬学部の本質は「入試難易度」ではなく「入学後の進級・国試対策体制」にあります。厚生労働省が発表する薬剤師国家試験の合格実績データによると、日本薬科大学の新卒合格率は年度によって変動があるものの、おおむね70%台から80%台前半を推移しています。これは全国の私立薬学部平均と比較して健闘している水準ですが、既卒者を含めた総合格率では数値が下がる傾向にあります。
取材関係者や学内動向によると、大学側は近年、低学年次からのリメディアル教育(基礎補習授業)と定期試験ごとの習熟度別クラス編成を強力に推進しています。4年次の薬学共用試験(CBT・OSCE)を突破するための特別演習講義や、6年次における国家試験予備校講師を招いた集中対策講座など、手厚い囲い込み指導を実施しています。「入学者を選抜する」のではなく「入学した学生を鍛え上げて合格させる」という教育方針が、数値データの背景に読み取れます。